金利について

金利について勉強しようじゃないか

お金を借りるときも預けるときも気になる金利。国の財政や経済だけでなく、一般消費者の生活にも影響を及ぼす金利について大人になってからのお勉強。

金利の2つの意昧

 

日常何気なく使っている「金利」ということばですが、よく考えてみると金利には2つの意昧があるように思われます。

 

1つは、資金の賃貸・賃借料(利息)という意昧です。

 

たとえば花子さんが、年末に2回分のボーナスで豪華な海外旅行をしようと考えて、夏のボーナスの10万円を銀行に預けたとします。この預金を花子さんが年末に引き出すと、銀行は10万円(元本)に加えて、1000円の利息を支払ってくれたとします。この1000円は花子さんには自分のお金を一定の期間手放していた代償であり、逆に銀行からみれば花子さんのお金を使用した使用料であるといえます。

 

一方、銀行は預金を元手に、企業や個人に融資を行ないます。たとえば銀行は、太郎さんに最新のパソコンを買うための資金として一定期間後に返済してくれることを条件に10万円を貸し出しているとします。

 

返済時に太郎さんは銀行に10万円(元本)に加えて、たとえば1000円の利息を支払ったとします。この1000円は、銀行からみれば太郎さんに資金を融通した対価であり、また太郎さんかうみれば銀行の資金を使わせてもらった使用料であると考えられます。

 

そして、金利のもう1つの意味は、資金の賃貸・賃借料(利息)の元本に対する比率です。たとえば10万円の預金の使用料として1000円が支払われる場合、金利か1%というのが、この例です。

 

金利の歴史

資金の貸借に伴う金利のやりとりは昔から普及していたわけではないようです。

 

ヨーロッパの歴史を振り返ってみると、商業や工業が今日のように発達する以前は、事業や日常生活において大金を必要とするケースは少なく、ビジネスとしての貸借は困窮している借り手の足元をみてきわめて高い金利で資金を貸し付ける高利貸しに限られていたようです。そのために資金の貸借に金利を付けることが禁止されていた時代もありました。

 

しかし、12世紀以降商業が活発となりその規模が拡大してくると、商業活動から利益を得ることが可能となってきました。このため、お金を借りて商いを行い、そこから金利を支払うことが困難なことではなくなりました。資金の貸借に金利を付けることが、徐々に社会に受け入れられるようになったのです。

 

さらに産業革命により機械装置を備えた大規模な工場で1度に大量の製品がつくられる時代になると、生産によってより大きな利益が生み出されるようになり、借りたお金に金利を払うことがますます普及してきました。

 

こうなると、お金に余裕があり、機会があればそれを提供して金利を得たいと思っている人と、金利を支払ってでもそれらのお金を借りて工場を建てて生産を行なって大儲けしたい人との聞で大規模な資金の融通が行なわれるようになり、金利の受け払いも一般に認められるようになったのです。

金利には資金配分機能と景気調整機能がある

 

金利がなぜ必要なのかについては、昔から様々な議論が行なわれてきましたが、現在に至るまで意見の一致をみているわけではありません。

 

このうち、時聞を重視する説としては、第1に「制欲説」あるいは「禁欲説」があげられます。この説は、お金の貨し手は貸出の期間中自分の消費や投資を抑えるという苦痛を経験しているのだから、お金の借り手は貸し手に苦痛の対価として金利を支払うのだという考え方です。

 

第2の説としては「時差説」があります。これによれば、現在は手元になく将来になってはじめて使うことができるようになる1万円よりも、現在手元にあってすぐに使える1万円の価値のほうが高いと考えるのです。お金が使えるようになる時点の差を背景とした価値の相違が金利になるというわけです。

 

第3の説は、「流動性選好説」です。この考え方では、様々な商取引の代金を決済する際に相手方に最も受け入れられやすい資産(=流動的な資産)である通貨を貸出しなどによって一時的に手放すと貸し手はその問、自分の商取引の決済ができないなどの不便を被るので、借り手はこの不便への対価あるいは報酬として、金利を支払うというものです。

 

有力な生産力説

時聞を重視する説以外では、たとえば、利子率が高まると貯蓄が増加し投資が減少することから、金利は貯蓄と投資が均衡するところで決まるとする「貯蓄・投資説」や、貸付金に対する需要と供給で金利か決まるとする「貸付資金説」などがあります。

 

しかし、現在のように製造業や流通業、サービス業が高度に発達した資本主義の世の中では、「生産力説」の立場で考えるのが最も合理的であるように思われます。

 

一般に事業を行なう際にお金が借りられると、お金が借りられないときに比べて、事業の規模が格段に大きくなり、また質が飛躍的に向上するので、利潤(もうけ)が桁違いに大きくなります。このため、「生産力説」では、借り手は貸し手に対して、お金を使わせてもらったことに対する代償として、事業で得た利潤(もうけ)の一部を利子として支払うのだと考えています。ちなみに、この「生産力説」に立てば、金利の最高限度は利潤(もうけ)であるということになります。

 

金利の2つの機能

金利は資金の貸借料ですから、その変動は貸借される資金の需要と供給の双方に影響を与えます。

 

その結果、資金の配分が変化したり、景気が調整されたりすることになります。

 

まず、前者の「資金配分機能」のプロセスを考えてみましょう。

 

資金の貸し手は一般にリスクが同じならば、金利の高いプロジェクトから、お金を貸していとうとします。一方で、資金の借り手は、金利の低い資金から順に借り入れようとします。したがって、金利の上昇は相対的に効率の悪いプロジェクトへの資金供給を減らし、効率の良いプロジェクトへ資金を集中させることになります。逆に、金利の低下はより効率の悪いプロジェクトへの資金提供の機会を増やすことになります。

 

その結果として、経済全体でみれば、その時々の資金貸借の費用である金利に見合う最適な資金配分が達成されるととになります。

 

では、後者の「景気調整機能」のメカニズムはどうなっているのでしょうか。

 

たとえば、好況期が畏くなり景気か過熱してきたときに金利が上昇すると、その高い金利でお金を借り入れてまで採算がとれるプロジェクトが少なくなるので、景気の拡大テンポが抑制されます。逆に、不況期に金利が低下すると、その低い金利で新たな借入れを行なっても採算がとれるブロジェクトが増えるので、経済活動が拡大します。

 

このように、金利の変動によって経済全体の需要と供給の調整が行なわれ、景気変動の安定化が図られるのです。

 

知っておきたい金利計算の基礎

 

同じ6%の金利でも計算方法が違えば利息の額は違ってくる

単利と複利

たとえば元金100万円を金利6%で5年間賃し借りした場合、利息はいくらになるでしょうか。

 

実は、これだけの条件では利息は決められません。利息を計算する場合には、このほかにもいくつかの条件をはっきりさせておくことが必要です。

 

まず、利息の計算方法が単利か複利かによって、利息の額が違ってきます。

 

単利とは、元金を基準に毎年利息を計算する方法、複利は毎年の利息を元金に組み入れる方法です。この例では、元金100万円を5年間にわたって貸し借りしています。単利で計算すると、毎年の利息の額は100万円×6%で6万円となり、利息の合計額は5年間で30万円となります。

 

一方、複利で計算する場合は、毎年の利息を元金に組み入れるため、最後まで利息を受け取ることができません。しかし、2年目以降に利息を計算するときには、元金が当初の100万円よりも大きくなり、利息もその分多くなるのです。

 

冒頭の事例について1年ごとに利息を計算して複利で利息を付けると、利息の額は約34万円になります。このように、同じ6%の金利でも、単利で計算するか複利で計算するかによって利息の額は遣ってくるのです。

 

なお、ここで用いた複利計算の例では1年ごとに利息を計算しました、が、このような方式を1年複利と呼びます。ほかにも半年、または1か月ごとに利息を計算し元金に加えていく場合もあり、それぞれ半年複利、1か月複利などと呼びます。

 

金利が同じ場合、複利計算の単位期聞が短いほど利息が大きくなります。銀行には様々な預金商品があり、商品によって利息計算の方法や利息を受け取る時期が違ってきます。

 

年利、月利、日歩

上述の例は「金利6%」という条件になっていましたが、これは正確には「金利は年利6%」というべきです。金利には、年利のほかにも、月利、日歩などがあるため、単に「金利6%」といっただけではどれを指しているのかがわからないためです。

 

これらのうち、日常生活で最も一般的に使われるのは年利です。

 

年利6%ということは、1年間当たりの利息の元金に対する割合が6%であるということを意昧します。同様に、月利という場合は、1か月当たりの利息の元金に対する割合を表します。月利で表示された金利を年利に換算する場合には、月利を12倍します。つまり、月利0.5%ならば1年間では0.5%の12倍、すなわち6%となり、年利6%と同じことになります。

 

一方、日歩の表し方は年利や月利と異なり、●●%という代わりに「日歩●●銭」などと表示します。この●●銭というのは、元金100円についての1日あたりの利息を意味しています。

 

たとえば、「日歩1銭」といえば、100円の元金につき1日1銭、つまり1年間では3円65銭の利息というととになり、これを年利で表せば3.65%となります。

 

両端と片端

金利を計算するときには、ほかにも注意するべき点があります。お金を賃し借りした当日や最終日を、利息を計算する期間に含めるかどうかです。

 

たとえば、ある月の1日にお金を借りて10日に返済した場合、何日分の金利を支払えばよいのでしょうか。この答えは、利息の計算方法が両端(りょうは)か片端(かたは)かによって変わってきます。

 

両端の場合、借入日と返済日の両方を借入期間に算入するため、この例では10日分の利息を支払うことになります。一方、片端の場合は、両端の場合よりも借入期聞を1日少なく計算するため、9日分の利息を支払えばよいのです。

 

通常、金融機関の預金などは片端で利息を計算しています。一方、金融機関か貸付けを行なう場合には、利息を両端で計算する場合が多いのですが、貸付けの内容などによっては片端の場合もあります。

 

やや細かい話になりますが、元金が一定の残高に満たないときには利息を計算しない場合があります。

 

利息がつく限界を付利最低残高といい、金融機関の預金の場合は1000円とされていることが多いようです。また、利息を計算した結果1円未満の端数が出た場合は、端数を切り捨てます。

私たち消費者が気になるのはお金を借りる際の金利負担

金利について勉強しようじゃないか

 

私たち一般の消費者が金利を最も気にする時の代表例が、お金を借りる際にかかってくる金利だと思います。

 

10万円借りた時の金利が10%と15%とでは、返済する利息負担が変わってきますからね。これが数百万円単位や一千万円単位になってしまえば、たったの1%変わるだけでも大きな負担です。

 

最近では大手カードローンのテレビCMも見かけますが、利用者数は一説によると1000万人を越えているそうです。消費税アップや各種税金の負担が増えているのに、毎月の給料が増えていかない。こうした生活費が圧迫されている状況で、生活費のちょっとした補填として数万円を借りる人が多いようです。(中にはギャンブル資金を借りている人も相変わらず昔からいるようですが)

 

しかし、そうしたすぐに借りられるフリーローン(=キャッシングやカードローン)は、利用目的が定められているローン(カーローンや住宅ローン)に比べると、金利が高めに設定されています。

 

以前のようにグレーゾーン金利に苦しめられることは、貸金業法の改正によってなくなりましたが、それでもお金を借りる時には返済時のことを考えて金利が少しでも低い所を選びたいですよね。

 

そうしたニーズを受けて、最近では借り入れから一定期間は利息がかからない「無利息期間」のサービスをしているところも増えてきています。

 

 

どうしてもお金が必要になったとき、こうしたサービスを割り切って利用するのは決して悪ではありません。

 

知人に頭を下げてお金を借りるのも選択肢としてはありますが、今まで築いてきた人間関係に金銭の授受を入れたくないのは当然です。

 

日本人は小さな頃から「借金=悪」と決め付けてしまいますが、キャッシングやカードローンでお金を借りることで物事が円滑に進むのであれば、決して悪いことではありません。(ただしくれぐれも計画的な利用をお勧めしますが)

 

しかし、初めてそうしたキャッシングやカードローンを利用する場合には、一体どこがいいのか良くわからないことと思います。

 

その際、借り入れ先を検討する一つの判断材料として「金利」を頭に入れて、なおかつ無利息期間があるか否か、という点も加味して、最終的な返済時の利息負担を冷静に判断してください。